受験勉強と聞いて、真っ先に思い浮かべる人が多い「英単語の暗記」
そしてそのお供の単語帳
学校教材になっているもの・なんとなく有名でよく聞くもの・みんなが使っているもの
いろいろある英単語帳を前に迷っているあなた!
ぜひこの記事を読んでいってください!
有名な単語帳たち
単語帳って、たくさん種類があって、どれが自分に合っているか選ぶのが難しい……
確かに有名な単語帳だけでもたくさん種類があるからね。代表的な単語帳の特徴を見ていこう!
システム英単語
通称「シスタン」と呼ばれる、この『システム英単語』
古くから定評のある単語帳で、学校教材として付き合ってきた高校生も多いはず。
主要シリーズとして無印のもの、より基本的なものとしてBASIC、さらには中学生用のものもあります。
一番オーソドックスな無印の『システム英単語』について説明します。
『システム英単語』は全部で5つの章から構成されており、第1章から第4章までは、大学入試の過去の出題データに基づいた頻出度順に約2,000語の見出し語が収録されています。
膨大な実際の出題例に基づいて単語が選ばれているので、確かに第1章第2章と前半のエリアは本当に重要な単語から載せられています。共通テストや中堅私大を目指していく受験生はまず第1章と第2章、次いで第3章を完璧にしていきたいところです。
第4章はややマイナーな単語が集まっていますが、それでも頻出度が高いものをまとめて載せているので、その後の過去問演習や実際の入試問題の中で出会うことも多いはずです。
第5章については、よく出る多義語を約180語がまとめられています。
ここもシスタンの長所の1つで、長文を読む上で読解に大きく影響を及ぼす重要な多義語が載せられています。「ここだけでもやる価値がある!」というくらい、シスタンの良い特徴となっています。
また、単語の載せられ方ですが、多くの単語が「ミニマル・フレーズ」という、よく出るフレーズで載せられています。
これにより、単語単品でズラっと並んでいるよりも覚えやすくなりますし、英作文や文法問題でよく出る形で覚えることができるので大変効率が良いです。
この「ミニマル・フレーズ」は、システム英単語のシリーズの中で一貫している良さであり、他の単語帳との差別化要素にもなっています。
ターゲット
歴史という面で言うと、この「ターゲットシリーズ」も負けてはいませんね。
こちらも「1900」「1400」「1200」とレベル違いで種類があり、特に「1900」は大学受験の基礎の部分から難関大に耐えるところまでと守備範囲が広いです。
単語の載せられ方としては、『システム英単語』同様、過去の大学入試の出題実績をもとに「でる順」でまとめられています。1900や1400の単語を100語ずつのステップに分けて載せられているので、目標を立てやすく短期的にも中長期的にもリズミカルに覚えることができます。
単語ごとに併せて載せられている例文については洗練されており、これも『システム英単語』同様、よく出るフレーズが盛り込まれています。
また、各単語について「まずはこの意味を覚える!」という一語一義方式が採用されており、それぞれの単語の中心となる意味だけを覚えるところから始められるという心理的な敷居の低さも意識されています。
速読英単語
「長文の中で単語を覚える」という実戦的なスタンスで、この『速読英単語』も有名ですね。
まずは見開きに長文が載せられていて、そこで登場する語彙が見出し語になっている、というつくりです。
これまで紹介した『システム英単語』や『ターゲット』シリーズとは大きく異なる部分であります。
載せられている長文については黙読以外にも、音読用の素材やリスニングの材料にもなります。そのためには音源が必要で、少し前までは別売りのCDとなっていましたが、必修編と入門編については無料でwebからダウンロードできるようになりました。
見出し語の載せられ方については、あくまで文章中に登場したものを中心にしているので、『システム英単語』や『ターゲット』のような純粋に単語1つ1つの出題率に準拠したものではありません。
しかし、分析・吟味した上での入試問題の長文が素材になっているため、頻出度的なところは当然反映されますし、周辺の語彙までカバーしていくと相当な語数に触れることができます。
シリーズの中で一番スタンダードな『速読英単語 必修編』であれば、70題の長文をもとに約1900語の見出し語をカバーします。大量に文章を読むことにもなるので、読解力の向上にも役立ちます。
LEAP
この中ではぶっちぎりで新しい、単語帳の新星であるのがこの『LEAP』
2018年に出版され、ここ数年で高校での採用実績も大きく増え、瞬く間に知名度を高めてきました。
英語の4技能:「読む」「書く」「聞く」「話す」を伸ばすことをコンセプトに置いた単語帳であり、約1900語の単語を「発信語彙」と「受信語彙」に分けて収録するという新しいタイプの載せられ方がしています。
「発信語彙:Active Vocabulary」とは、自分からアウトプットしていくライティングやスピーキングでも使えるべき語彙と分類しており、併せて載せられている情報もよく使われる定型表現や、発信する上で気をつけるべきポイントなどに重きが置かれています。
対する「受動語彙:Passive Vocabulary」とは、リーディングやリスニングなどで「意味が分かる」ことを主眼にすべき語彙であり、こちらの方が後半に載せられています。
載せられている単語の基準も、「よく出る」という不透明な基準ではなく、CEFRという言語運用能力を客観的に評価する指標に基づいて選定されているという本格仕様です。
4技能重視ということで、音声素材も充実しており、「話す」「聞く」トレーニング用のものや、ディクテーション、シャドーイングの練習用に編集されたものなど、目的に併せた使い勝手の良いものとなっています。
また、紙面には似た意味の単語や、語源、語呂合わせなど、覚えるための様々な記憶のフックがたくさん載せられており、情報量は今回紹介した単語帳の中でも群を抜くものとなっています。
で、結局どの単語帳が一番いいの?
以上、4つの有名な単語帳シリーズの特徴を見ていきました。
どの単語帳も、多くの人に使用され、数多の学力伸長に貢献してきたのは間違いなく、少なくとも「どれかがダメ!」みたいなことは絶対にないです。
選定されている単語も、言ってしまえば大きな差はありません。
すなわち「シスタンやりきった!」と「ターゲット1900やりきった!」の差はほとんどないと言えるでしょう。
しかし、結局どの単語帳も中途半端な使用で終わり、結果、新しく覚えた単語も少ないとなってしまうと、それは意味のない学習となってしまいます。
そのようなことを踏まえると、まず一つ次の事柄が言えます。
学校教材として上記の(あるいはそれに準ずる)単語帳が配布されたのであれば、それがよほど合わない!ということでなければ、その1冊を信じてやりきりましょう。
やっぱりどれも信頼できる単語帳だから、信じて1冊やりきらないとってことね。
私は学校で『システム英単語』を使っているから、それを一生懸命やることにします!
いいね!『システム英単語』も間違いなく良い単語帳だから!
単語の暗記はなかなか辛い部分もあるけど、1冊単語帳をやりきると世界が変わるよ!
例えば、学校で配られた『LEAP』が手元にあるのであれば、まずはそれを覚えきろうと一生懸命努力しましょう。『LEAP』も間違いなく素晴らしい単語帳です。
どうしてもレイアウトが合わなくて、『ターゲット1900』みたいな見出しの方が自分にとっては覚えやすそう!となれば、『ターゲット1900』に持ち替えて、今度は逆にそこから浮気することなく覚えきってしまいましょう。
どれか1冊を決めて、まずはそれをしっかりやりきることがポイントです。
もし今、手元に単語帳がなくて、これから新しいものを買って始める!という方については、『システム英単語』をお勧めします。
『速読英単語』シリーズに取り組むのであれば、先立って英文解釈の基礎を学んでおくことが重要です。文構造を取れない状態で長文に臨んでも効果が薄いからです。
英文解釈の勉強法については、こちらの記事にまとめてあるので、ご確認ください。
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